古来、日本における衣服は着物と呼ばれ、和服という言い方がされるようになったのは近年になってからである。
明治時代になると洋服を着る人が増え、それと区別するために日本古来の衣服を和服と呼ぶようになった。
着物は、着るものの意味であるから衣服全体を表し、洋服・和服の区別は無い筈であるが、現代における言葉としては和服を指すことが多い。
日本で和服という言葉が生まれる明治時代よりもずっと前の16世紀の時点で、日本人が日本の衣服のことを着物(Kimono)と呼んでいることをヨーロッパの人はすでに知っていた。現在も引き続き、英語・ドイツ語では日本で和服と呼んでいる物を Kimono と呼んでいる。英語としてのKimonoの発音はカタカナで表すと「キモノ」よりは「カモノ」「カイモノ」に近い。
和服の特徴
(1)腰の位置で帯(おび)を結ぶことによって長着(ながぎ)を体に固定させる。
(2)腕の太さよりもずっと広い袖(そで)を持つ。
(3)長着や羽織では、袖のうち一部を縫ってあり、これにより袖口は袖丈よりも短かくなり、袖に袋状の袂(たもと)ができる。
(4)洋服の袖の特徴は、腕を細く包み、袖の中の空間的余裕が和服よりも少ないことである。
(5)洋服ではボタンや締め金を使って服の一部を固定するが、和服では帯や紐などで結ぶことによって固定する。
(6)和服に洋服のような開襟はない。
(7)和服の布地は、あまり伸び縮みしない。
(8)帯の材質は布である。帯に皮革が使われることはない。
(9)和服を反物から制作する作業において、反物を切る線のほとんどが直線であり、布の端と平行か直角に切られる。
(10)和服が伝統的な裁縫の方法により作られた場合は、縫いつけた糸を和服から後で取り除いて分解することを前提にして和服が作られる。
(11)切れやすい糸を使って和服を縫うことにより、縫った糸が布を引っ張って布を損傷する危険を減らす。
(12)切れやすい糸を使うことにより、和服を構成する各部の布を長持ちさせることができるが、衣服が身体を保護する力が低くなる欠点がある。